金継ぎ 3 - 漆と漆によるかぶれについて
更新日:4月23日
こんにちは。今日は漆と漆によるかぶれについてお話ししましょう。漆は、美しい仕上げや伝統的な工芸品に使用される素材として広く知られていますが、漆には注意が必要で、特に漆に対するアレルギー反応やかぶれに注意が必要です。私自身反応が出やすく難儀しています。金継ぎを楽しむ前に、まずは対策をしっかりしましょう。
漆の特性
漆は、ウルシ科の植物から抽出される樹脂で、非常に耐久性があり、美しい仕上げを提供します。漆は日本の伝統的な工芸品や家具、食器、装飾品などで広く使用されています。しかし、漆は、その主成分であるウルシオールによる接触皮膚炎を引き起こす可能性があることが知られています。
漆によるかぶれの症状
漆にアレルギー反応がある人は、漆に触れた際にかぶれを起こすことがあります。かぶれの症状は以下のようになります。
1. 皮膚の発赤: 漆に触れることで、皮膚が赤くなることがあります。
2. かゆみ: かぶれの典型的な症状として、かゆみが発生します。私はかなり痒くなります。
3. 皮膚の炎症: かぶれた部位が腫れることがあり、炎症を起こすこともあります。
4. 水疱: かぶれた部分に水疱(水ぶくれ)ができることもあります。水疱がたくさんできて弾けた水分で洋服の袖が汚れました。
漆によるかぶれの予防
漆にアレルギー反応がある可能性がある場合、以下の予防策を考えることが重要です。
1. 漆に触れないようにする: 漆製品に触れないように気をつけましょう。特に、漆塗りの食器を使用する際は注意が必要です。
2. 保護具の着用: 漆に触れる際は、手袋や長袖の服を着用して皮膚を保護しましょう。ちなみに天然ゴムは漆を通しますのでニトリルゴムの手袋をおすすめします。半袖の季節などはアームカバーもオススメです。
3. 注意深い洗浄: 漆製品を取り扱った後は、注意深く手を洗いましょう。漆の残留物が皮膚に触れた場合、かぶれのリスクが高まります。すぐにサラダ油かオリーブオイルで洗い、そのあと石鹸でしっかり洗い流しましょう。
どんなものでも良いですが、筆を洗うときにも使いますのでサラダ油は用意しておきましょう。
4. 医師の診察: かぶれの症状が出た場合、早めに医師の診察を受けましょう。適切な処置が必要です。
私のケース
ニトリルゴムの手袋をしっかりしていたのですが、知らずしらずのうちに手袋を伝って腕から肘にかけて漆が滴り落ちて皮膚にべったり付いてしまいました。その時はまだその後どうなるか知る良しもありませんでした。
まず異変が起きたのは2日後です。腕におそらく漆が付いた線の状態で打ち身のような跡が出てきて、どこかで腕をぶつけたかなと思っていました。
するとそれから3〜4日後、その線が腫れてきました。一番べっとり付いた箇所はなんというかジュクジュクの切り傷の跡のようになってきました。まだ痛みやかゆみはありません。
特に生活に支障はなく9日がたったとき腕全体がパンパンに腫れて水疱が出てきて長袖の服に水疱が弾けた液体が染みるようになりました。かなり痒みが出てきます。
10日目になりまずいと思い皮膚科に行きました。基本的には自然治癒なのですが回復を早める薬を処方いただきました。
飲み薬
フェキソフェナジン塩酸塩錠
プレドニン錠
テプレノンカプセル
塗り薬
デルモベート軟膏
亜鉛華単軟膏
ガーゼに塗って上から貼る
剥がすのにオリーブオイルを使う
これで一週間程度で治ります。
漆によるかぶれは、漆製品を楽しむ際の注意が必要です。漆にアレルギー反応があるかどうかを知り、予防策を実施することで、美しい漆製品を安全に楽しむことができます。安全に漆を楽しむために、適切な知識と注意が欠かせません。
想像以上に炎症があり水疱と痒みがきつかったです。皆さんも万全の防御で金継ぎを楽しみましょう。
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