金継ぎ 9 - まとめ:漆の種類について
更新日:4月23日
金継ぎで使う漆には以下の 3 つの用途があります。
接着
欠けを埋めるパテの役割
装飾
その用途によって、使う漆も変わってきます。それぞれについて解説していきます。
1. 生漆 (生正味漆)
生正味漆 (きじょうみうるし)、生漆 (きうるし)、と読みます。単純に漆と呼ぶことの多い、基本になるいわゆる漆です。一般的に漆と言った場合は、これを指しています。こちらが一番幅広い用途に利用される漆で、主に接着とパテとして修復に用います。
生漆をベースに調合される素材は以下になります。
2. 呂色漆 (黒呂色漆)
呂色漆 (ろいろうるし) と読みます。漆黒な色が特徴的で生漆と同量ずつを混ぜることで呂瀬漆を作ります。呂瀬漆は下塗りという工程で錆の上に塗ります。呂瀬漆は膜を貼り水分の浸透を防ぐ効果があります。
名前 | 混ぜる材料 | 用途 |
呂瀬漆 | 生漆 | 下塗りという工程で錆の上に塗ります。呂瀬漆は膜を貼り水分の浸透を防ぎます。 |
3. 絵漆
絵漆 (えうるし) と読みます。生漆に弁柄 (べんがら) という顔料を混ぜて練り込んだものになります。朱色をしています。こちらは装飾用で、粉蒔きの下地として塗ります。これを下付けと言います。デザインを施すことも可能です。
4. ガラス用の漆
ガラスや磁気のようなツルツルした素材の修復も金継ぎでは可能ですが、通常の生漆をベースにした材料では接着やパテがうまくいきません。そこでガラス用の漆を使います。
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